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熊本 大雨で死者59人に…集落の孤立続く

今月4日からの大雨で、熊本県では、亡くなった人が59人となりました。道路が寸断されたことによって、今でも集落の孤立が続いています。 熊本県八代市坂本町では、球磨川の氾濫などで市の中心部からの道路や橋が壊れ、孤立状態が続いていましたが、道路が仮復旧しました。 避難先から5日ぶりに帰ってきた人は…… 避難先から帰った人「今後どのくらい時間がかかるのか、生活をどうするか考えながら…」 一方、隣の球磨村では、雨のためヘリコプターが使えず、4キロの道を歩いて孤立集落に向かうなど、救出が難航しました。村では今も8つの集落でおよそ150人が孤立した状態となっています。 救出された人「大変だった。今も泣いていたけど、それまで泣くに泣けなくて」 熊本県内ではこれまでに59人が亡くなり、さらに1人が心肺停止、10人が行方不明となっています。 県内では11日にかけて大雨となるおそれがあります。引き続き厳重な警戒が必要です。

熊本2020.07.10 01:31

車いすの高さに水90人の命守る

建物の中に流れ込む泥水。芦北町の特別養護老人ホームで撮影された映像だ。入居していた90人の命を守り抜いたこの施設で、わずか5人の職員たちがとった行動とは。
芦北町の特別養護老人ホーム「五松園」。およそ20人の職員が施設内の泥や水をかき出していた。
今月4日、午前4時過ぎ。近くの川からあふれた水が施設を襲った。施設の正面玄関にある防犯カメラの映像では、茶色く濁った水が押し寄せているのが分かる。わずか10分後、地面が見えなくなった。
介護士の吉村智成さんは。
「時間を見る余裕もなかったが、1人でも命を救おうと」
この日、当直勤務だった吉村さん。
「当日はどんどん浸水するような状態だった。水のスピードが速かった」
浸水が始まった午前4時半。ほかの介護士4人と手分けして入居者の避難を開始。90人の入居者のほとんどが車いすを使っていた。
「2階が一番安全だからということで、車いすに乗せてここに誘導した。男性の職員は入居者を抱えあげて、女性の職員は誘導してもらうという形で流れ作業がうまくいったので命を救えたのかなと思う」
激しく動揺している入居者に落ち着いてもらいながらの避難だった。
「『え、大丈夫?私は助かるの?』『助けてくれ、助けてくれ』っていう人もいらっしゃったので『必ず来るからね』『安心していいからね』って声をかけて」
施設の浸水は、最大で80センチに達した。車いすの高さとほぼ同じだ。
「泥水状態なので下が見えないんだ。車いす押していて足を突っ込んだりとか。衣類も水を吸っているので本来の体重に衣類の重さが追加されるので重かった」
ようやく入居者を安全な場所に避難させた吉村さんたち。その後は、体温が下がらないように毛布で入居者をくるみ、非常庫から食べ物や飲み物を届けるなど対応を続けた。実はこの施設では避難訓練はしていたものの、実際に車いすの入居者を2階に上げる訓練まではしていなかった。
五松園副施設長岩間睦生さん
「夜間の避難訓練や昼間の避難訓練はしていたが、2階にあげる訓練はしていなかった。今回は職員の機転だった。たまたま当日は頑強な男性2人が夜勤に入っていたそれが功を奏した」

熊本2020.07.09 19:44

路線バスすべて水没 再開目指す

県内の交通網も壊滅的な打撃を受けている。産交バスの人吉営業所では25台のバス全てが水没した。それでも今、地域の足の復活に向けて努力が続いている。
人吉市にある産交バス人吉営業所。球磨川から濁流が流れ込み、車庫にあったバス25台がすべて水没した。水は、バスのフロントガラスの大部分が浸かるほどの高さまで達していたという。
人吉営業所所長の村口昭寛さんは、球磨川が氾濫した今月4日は早朝から出勤していた。しかしバスが水に飲みこまれていく様子をただ見つめるしかなかったと言う。
村口昭寛所長
「バスが最初、全部水に浸かって、ウィンカーがバシバシバシと点灯して、だんだんそれが消えていった。従業員や運転手4人でその光景を見ていました」
水没したバス25台のうち、貸し切りバス3台を除く22台は修理ができず、廃車にするしかないという。廃車になったバスの中には、新型コロナの影響で客足が減り今月末で廃線予定だった熊本と人吉の間を走る高速バス「人吉号」も含まれている。
女性運転手は。
「胸が痛い。今はまだ何も考えられなくて、ただただ大好きなバスがいなくなってしまったというのがショックです」
産交バスによると、現在人吉市から五木村などを走る人吉営業所管内の15の路線は全て運休している。県内のほかの営業所から車両を集め、路線の安全を確認したうえで、来週には運行を再開したいとしている。

熊本2020.07.09 19:31

「これからもここで」男性の思い

これまでに19人の方が亡くなった球磨村。自宅が浸水しながらもボートを出して近隣の救助にあたった男性がいる。これまで度々水害を経験した男性は「今回は違った」と話す。
ぬいぐるみを用水路の水で懸命に洗う親子。市花保さんと中学3年生の娘・あこさんだ。ぬいぐるみは「家族」と話す。
球磨川が氾濫した球磨村渡に住む市花さんは、これまで球磨川の水害は何度も経験したと話するが、今回の水害はこれまでと全く違ったと話す。
「今回は本当に違っていた。増水の仕方が。急激だった。雨の降り方も半端じゃなかったし」
これまでにない水の押し寄せ方に恐怖を感じながらも、市花さんは近所の人たちの救助にあたりった。昔、ラフティングの仕事をしていた市花さん。ボートを出して取り残された屋根にしがみつく女性を救助した。
ベランダに取り残されていた女性はおよそ6時間後に救助された。市花さんの家は村営住宅だ。すぐ隣は村の集会施設になっている。災害時避難所として使われているが、屋根のあたりまで水が押し寄せたのが分かる。
避難所のとなりだからと安心していたという市花さん。しかし家の中は一面泥が広がっていた。押入れの上の段に収納していた衣類のプラスチックケースにも水が入り、市花さんは穴を空けて水を抜いていた。部屋におかれたピアノはひっくり返っていた。
市花さんは話す。
「ここは村営住宅なので村がどう考えるかだけれど、でもできればこれからもここに住みたい。球磨川は小さいころからそばにあって遊んで川で生活させてもらっていたので。これからも川と付き合っていくと思う」

熊本2020.07.09 19:27

再び大雨か堤防修理など急ピッチ

雨が続く人吉市。堤防が決壊した球磨川では、24時間体制で続いた復旧工事の結果、午前9時半に応急工事が完了した。
球磨川のすぐそばに位置する紺屋町の商店街では、雨を突いて住民による片づけ作業が続いていた。
住民の男性は。
「正直、どこから手を付けていいのかわからない。うちの親も高齢で途方に暮れています」
これから予想される大雨の前に作業を急ぐ住民。家具や畳などの大量の災害廃棄物が積み重なっていた。
住民は。
「濡れてしまうと畳がかなり重くなって出しにくくなるので。雨が降る前にと」
大雨に備え、人吉市は緊張に包まれている。

熊本2020.07.09 19:18

熊本12日頃まで大雨恐れ…人吉市から中継

記録的な大雨で大きな被害が出ている中、熊本などでは再び雨となりました。大雨は、少なくとも12日(日)ごろまで続く恐れがあり、引き続き、土砂災害などへの警戒が必要です。熊本県人吉市から中継です。 球磨川の水が氾濫によって流れ込んだ熊本県人吉市です。熊本県によりますと9日午後3時現在、県内では58人が亡くなり2人が心肺停止、10人の行方が分かっていません。 気象庁は9日、大雨は少なくとも12日(日)ごろまで続く恐れがあると発表しています。 10日午後6時までの24時間で、県内では多いところで200ミリの雨が降ると予想されています。 土砂災害などへの厳重な警戒が呼びかけられる中、住民の皆さんは不安な夜を迎えます。

熊本2020.07.09 16:18

八代市坂本町への道路が仮復旧

球磨川沿いの道路が寸断され集落の孤立が続く八代市坂本町では8日から道路が仮復旧した。仮復旧したのは八代市中心部から坂本支所まで通じるルート。この区間は国道219号や県道中津道八代線の複数の箇所が崩落したり、球磨川にかかる橋が流されたりした。熊本県は坂本町の孤立状態を解消するため、国道と県道の崩落した場所に土のうを積み鉄板を敷くなどの応急処置を行い、8日昼から地元の住民や工事車両に限って通行出来るようにした。通行出来る時間帯は午前6時から午後9時までで、今後の雨の降り方や引き続き行われる復旧工事の状況によっては、通行止めや通行出来る時間がさらに限られる可能性もある。熊本県は、片側交互通行の場所も多く、現地の指示に従い徐行などに協力するよう呼びかけている。

熊本2020.07.09 11:59

10日にかけて再び大雨のおそれ

熊本県内は10日にかけて再び大雨となるおそれがある。梅雨前線が対馬海峡付近まで北上して停滞し、暖かく湿った空気が流れ込むため、九州北部は大気の状態が非常に不安定になる見込み。このため熊本県内は昼過ぎから10日にかけて再び大雨となるおそれがあり、多い所で1時間に50ミリの非常に激しい雨が降ると予想される。また、10日朝までの24時間の雨量は多い所で200ミリに達し、その後もさらに増える見込み。これまでの記録的な大雨で地盤が緩んでいるところがあり、少しの雨でも土砂災害が起きる危険性が非常に高まっている。八代市東部や人吉市、小国町、芦北町、津奈木町、球磨村には土砂災害警戒情報が出ている。気象台は土砂災害に厳重に警戒するとともに、低い土地の浸水や川の増水、落雷や竜巻などの激しい突風に注意するよう呼びかけている。

熊本2020.07.09 11:54

58人死亡…熊本は再び激しい雨のおそれ

熊本県では大雨によりこれまでに58人が死亡しましたが、八代市では、孤立していた集落への道が仮復旧しました。しかし、9日昼過ぎから再び激しい雨が降るおそれがあり、引き続き土砂災害などへの警戒が必要です。 八代市坂本町は今月4日の大雨で、市の中心部からの道路が崩落し、橋が壊れるなどして孤立状態が続いていましたが、8日、道路が仮復旧しました。しかし、いまだに道が崩落していたり土砂が流れ込んでいたりと、注意が必要です。 県内では、これまでに58人が亡くなり、さらに1人が心肺停止、10人が行方不明となっています。 気象台によりますと、熊本県内では、9日昼過ぎから10日にかけて再び激しい雨が降り、大雨となるおそれがあります。引き続き土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水や河川の増水に注意してください。

熊本2020.07.09 11:45

球磨焼酎の酒蔵 再建決意のワケ

豪雨災害で人吉市の名産品も大きな被害を受けた。球磨焼酎を作り続けてきた大和一酒造元。濁流は老舗の酒蔵を一気に飲み込んだ。突然の水害。途方もない再建への道のりが始まった。

濁流は球磨川から約700メートル離れた酒蔵まで押し寄せた。

大和一酒造元代表・下田文仁さん
「精魂込めて作った2万リットルの原酒が消えている」

焼酎だけでなく明治時代から使ってきた麹作りのための部屋、麹室も被災。被害総額は数億円に上るという。

“もう再建は無理かもしれない…”。諦めかけた下田さんに届いたのは地元の人たちの支援と全国の仲間からの温かい声だった。

熊本2020.07.08 21:42

食料や入浴 被災者支援広がる

被災した人への支援が少しずつ広がり始めている。芦北町のスーパーは、ライフラインが使えない住民のために食料などを配った。芦北町の「ロッキースーパーストア芦北店」では、7日9時ごろから従業員が非常災害用の水とパンを用意した。従業員はアルコールで消毒するなど感染症に注意しながら訪れた人たちに配っていた。店舗は今回の大雨で数十センチ浸水し、商品の半分を廃棄したという。パンと水の配給は8日も午前9時から行われる。人吉市の避難所では、自衛隊による入浴支援が始まった。自衛隊が設置した入浴施設は男女一つずつ。午後3時から10時まで利用でき、避難した人がさっそく入っていた。また八代市の日奈久温泉でも、6つの旅館やホテルで温泉の無料開放が始まった。無料開放は八代市坂本町や芦北、人吉球磨地域で被災した人を対象に当面今月末までの予定で、施設によって入浴可能な時間が異なる。旅館組合は、避難所への送迎も出来ないか検討しているという。

熊本2020.07.07 21:15

【熊本豪雨】わずか10分で水…一体何が

今月4日の防犯カメラの映像。駐車場に押し寄せる水かさは徐々に上がり、あっという間に建物の1階部分が完全に水没した。人吉市内のビジネスホテルの当時の様子について従業員は「流れが早かった。ここでもグルグル渦巻いて怖かった。まさかこんなに(水が)くるとは思わなかった」と語る。防犯カメラの映像では、水が押し寄せてきたのは午前6時57分。1階部分が水に水没したのは午前7時7分。わずか10分の出来事だった。別の場所に設置された防犯カメラでも道路の溝から徐々に水があふれだし、あっという間に車が流されるほどの水が押し寄せた。想定外の水害は球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」でも発生した。球磨川と支流が合流する近くにあった建物には一気に水が押し寄せ入所者14人が亡くなった。千寿園の近くで働く男性は当時の様子を「みるみるうちに増えてそのときには既にうちの会社の看板くらいの深さになり、車がどんどん動き出してこれはまずいなと思った」と語る。ラフティングのボートで入所者や職員の救助にあたったという。逃げ遅れた人の多くが「水が一気に増えてきて避難する余裕はなかった」と話す。芦北町の大瀬政美さんは、義理の妹の酒井民子さんを亡くした。球磨川が氾濫したとき、隣の家の2階から撮影された映像をみると、水が引いた映像に比べると水位がかなり上昇していたことが分かる。大瀬さんは浸水した住宅に開けた穴から何とか妹の顔だけを出し、救助を待っていたという。約5時間後、救急隊が到着し救出したが亡くなった。わずかな時間に降った大量の雨がもたらした川の氾濫。命を奪い、人の生活を一変させている。

熊本2020.07.07 21:05

再出発した矢先に…旅館が被災

県内有数の温泉地を襲った豪雨で大きな被害を受けた旅館。新型コロナウイルスから再出発した矢先の被災だった。

人吉市の「人吉旅館」。隣りを流れる球磨川が氾濫し歴史ある建物は濁流に飲み込まれた。

人吉旅館三代目女将・堀尾里美さん
「国の文化財として本当に誇りを持った建物だのでなくしたくない。何とか残したいし、復活させたい」

和風の建物は海外の観光客にも人気で2012年には「国の有形文化財」に登録された。

今年、旅館にある苦難が…。新型コロナウイルスの影響で4月から2か月間の休館を余儀なくされた。

先月1日、営業を再開。観光客を取り戻そうと宿泊割引キャンペーンを始めた。“ようやくおもてなしができる”。そう期待した矢先の水害だった。

廊下は泥に覆われ天井も落下。自慢の温泉も湯船には泥水がたまり大きく姿を変えていた。

災害の爪痕が残る一方で2階には勇気をもらえる光景が広がっていた。歴史ある廊下は輝きを失わず、創業当時の美しい姿が残っていたのだ。

堀尾さん
「励ましの言葉をたくさんいただいたので体は元気なので頑張っていきたい」

熊本2020.07.06 23:58

くま川鉄道 涙ながらの復旧作業

記録的豪雨により交通にも影響が出ている。観光列車などを運営するくま川鉄道もその一つ。涙ながらに復旧に取り組む姿を取材した。

5日、駅の構内で職員たちが掃除に追われていた。

人吉市と湯前町を結ぶ「くま川鉄道」。1989年に運行を始めた。第3セクター方式で運営され通学や通勤など“地域の足”として走り続けていた。

豪雨で国の有形文化財に登録されている球磨川第四橋梁は流失。
シンボルの赤い鉄橋は無残にも引き裂かれた。

保有する車両すべてが被災。復旧の目途は立っていない。

椎葉悠太運転士
「これからお客さんを取り入れて、色んな団体を入れていきたかったが何で災害に見舞われなきゃいけないのか。くま川鉄道はなくてはならない存在だと思っているのでどうか皆さん支援をお願いしたい」

熊本2020.07.06 23:40

7日にかけて再び大雨恐れ 警戒を

熊本県内は7日にかけて再び大雨となる恐れがあり、特に天草・芦北地方や球磨地方、宇城八代では厳重な警戒が必要だ。3日の降り始めから5日午後8時までの雨量は水俣市で528mm、湯前町横谷で497mm、天草市牛深で493mmなどとなっている。今後、梅雨前線は活発な状態のまま6日にかけて九州北部まで北上し、7日にかけて停滞する見込み。このため県内では6日午後6時までの24時間の雨量は多い所で250mmになる見込み。また7日午後6時までの48時間に予想される雨量は多い所で300~400mmの見込み。特に天草・芦北地方や球磨地方、宇城八代では、これまでの記録的な大雨で、地盤が非常に緩んでいる所があるので、土砂災害や河川の増水、氾濫に厳重に警戒を

熊本2020.07.05 21:49

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